Leading Scientists of the Worldという詐欺

International Biographical Centre, Cambridge, England(IBC, ケンブリッジ国際伝記センター)から、Leading Scientists of the World 2009に選ばれたっていう手紙が来ました。$155出すと証明書をくれるそうです。

有り体に言うと、詐欺*1なわけなんですが、きちんと活動している研究者なら引っかかりかねないという上手さがあって、少し恐ろしい詐欺です。
支払いが必要なのはともかくとしても、自分の場合は以下の理由で100%詐欺なのが分かっているのですけれど。

  • 手紙に選考理由がない 誰にでも送れるでしょう。
  • 自分には研究実績が全くない 一番の理由ですね。しかも今は大学のような研究施設にはいないですし。
  • 自宅住所に送ってきた 曲がりなりにも大学で研究していた頃は研究室のアドレス使っているわけなので、そっちに送ってくるはず。
  • 自分の自宅住所が書いてある、誰でもアクセスできるデータベースに思い当たる節がある 昔、誰でも登録できる、とある学会のデータベースに登録したのですが、そのデータベースには誰でもアクセスできるようになっています。そして、"Japan"で絞り込み検索すると、なぜか自分が一番最初に・・・*2

というわけで、自分のところに送ってしまった背景が浮かび上がり、何の選考もせずにデータベースやリストを閲覧して、何となく送っているだけということが明らかになりました。
そして、最初にも書いたのですが、この商売が上手い点。
自分の場合は上記の理由で無差別的な詐欺だというのが一発で分かるのですが、これがそれなりに実績を上げている研究者のもとに、普段通っている研究所宛で届いたらどうでしょうか?
気づく人ならもちろん気づくでしょうが、疑うことを知らない人なら、実績が認められたと思うかもしれません。「ああ、分かる人は分かってくれてる」。その上で$155程度の端金なら喜んで払うかもしれません。
そして、一回証明書を受領すると、カモと言わんばかりに、次の賞に選考されたりします。当然証明書は有料です・・・。
金を支払う必要がある時点で分かるだろう人には書くまでもないことですし、引っかかる人は引っかかりますし、霊感商法で壺買って幸せそうな人へのアドバイス並に無粋な行為だと思いますし、更に、こんなブログに書いても知り合いすら見てないでしょうが・・・。しかし、IBCの賞を経歴に載せる人がたまにいたりして、実は栄誉なのでは?って迷っているひとが、たまたま見たときの道標として書いておきます。
最後に。素でだまされてこれを貰う人も居るみたいですが、分かっていながらこういうの貰っておいて、素人をだますために積極的に利用する人も居るみたいですね。



以下はここより参考になるブログのエントリです。
http://d.hatena.ne.jp/nofrills/20080606/p7
http://blackshadow.seesaa.net/article/99666042.html
http://theorist.blog6.fc2.com/blog-entry-137.html

*1:金払えば証明書はくれるので、詐欺ではなく、霊感商法や画売りに近い商売

*2:なぜかじゃなくて、アルファベット順だからなんですけど