美しい研究

明日は12:30頃までに千葉に着けばいいのでちょっと夜更かし。適当にネットサーフィン(死語?)。で、個人的に面白いものを発見。ちょっと古い記事ですが、今下宿からとれるオンラインの論文のようなものは限られているので、一応これを紹介。
21番目のアミノ酸セレノシステインを取り込むための分子基盤
まず、SECIS-RNAとSelB-CのSECIS結合最小ドメインという、RNAとタンパク質の複合体の構造解析というのがとても美しいです。そして、ここに載っている実験法を見ていると、精製したタンパク質にリボヌクレアーゼ活性が残っていないことをきちんと確認するなど、当然といえば当然のようですが、細心の注意を払いながらRNAを取り扱っていることが分かり、とても感心したり。自分がやってきた実験っていうのがいかに適当なものであったのかを痛烈に感じました。
人の研究にいちいち感心するようになってはダメなのかな?それはどうでも良いとして、出来ることなら、研究室にいた7年間を初めからやり直したいな・・・と多少思いました。テーマ云々より前に、基本操作がなっていなかったんだから、結果が出なくて当然だったのかな・・・と。
どうでも良いですが、久しぶりにセレノシステインやピロロリジンという言葉を思い出しました。ちょっとだけまとめ

  • セレノシステイン(Sec)(Selenocysteine) 21番目のアミノ酸UGA(オパール:opal)コドンにコードされる(mRNA下流にあるSECIS(selenocysteine insertion sequence) elementsの存在下において)*1
  • ピロロリジン(Pyl)(Pyrrolysine) 22番目のアミノ酸。UAG(アンバー:amber)コドン*2にコードされる(mRNA下流にあるPYLIS(pyrrolysine insertion sequence) elementsの存在下において)*3

しかし、自分がピロロリジンの載っているScience誌の論文を見たのはもう2002年の事になるのね・・・。22番目のアミノ酸が発見されて、それで同じ号にそのアミノ酸の入ったタンパク質の構造も載っていて当時はものすごく驚いた覚えがありますが。時が経つのは早すぎる・・・。

*1:eubacteriaとeukaryotesでのSECISの働きの違いとしては、ここのp163(pdf中では7枚目)の図が参考になります

*2:UGA、UAGときて、もう一つの終止コドンUAAの愛称(?)はオーカー:ochre

*3:ここをざっと見た感じではPYLISは特に必要ないのかな?結局、SecとPylは違った翻訳機構を持っていて、進化的に別系統のものから生まれてきたということ?