広重 二大街道浮世絵展

病院の帰り、多少具合が悪かったので*1、親の勧めで千葉市美術館で休んで行く事にしました。ちょっと不思議な親です。
行ったら“広重 二大街道浮世絵展”と言うものをやっていました。音声ガイド、無料だと思って借りたら案外お金取られました。まぁ良いでしょう。
で、二大街道ですが、木曾海道六拾九次と東海道五拾三次を展示してあるようでした。東海道の方はさすがに多少予備知識ありますが・・・と思って携帯で再確認していたらその知識は誤っていた模様(泣)。館内でまずその情報を確認するために必死に携帯いじっていたら館内の方に写真は撮らないでねと釘を刺されました。一枚目の位置から全く動かないので気になったんだろうなぁ。
その知識にようやく整理がついたのでせっかく借りたガイドをまず聞く。
最初に木曾海道六拾九次*2の展示がありましたが、木曾街道の始め20数枚は今回展覧会の表題になっている歌川広重ではなく溪斎英泉の作品らしい。入場券にはそんなことはひとつも書いていないよ。ガイド借りていなかったら全く気付かなかったろうなぁ。見る人が見たら一撃で作風の違いが分かるのかも知れませんし、絵の脇のプレートにも書いてはありますが。
ガイドを聞いていると“貴重”とか、“世界に数枚しかない”などという言葉が気になる。そして途中まできて絵自体に通し番号の印が押してあることに気付く。・・・貴重な割にはヌケもなく良く通し番号が揃っているな・・・と気になったので、1枚目から見直す。やはりヌケが無いなあと見ていったら、“番場”、”鳥居本“が63で数字かぶってる。64は(少なくともこの展示では)欠番。“恵智川”、“武佐”も66でかぶってる。67は欠番。・・・と思いきや“守山”の通し番号は六十八の印の上に七って書かれててアバウトに直されてる(笑)。“草津追分”は68、“大津”が70。66が2枚の代わりに69が欠番なのね・・・ともはや通し番号しか頭に入らず、絵なんか見てない(泣)。なんだ全種類展示されているじゃないかと思ったら、今更音声ガイドでその旨が。最初から言ってくれたらこんな下らないことに気をそがれずに済んだのに・・・。ガイドによると版元も2回変わったらしい。最初から言ってくれたらもう少し気にしたのに。そういうことはあとから見たらここに書いてあった・・・。ここにも?
次は東海道五拾三次。見たことあるのはあるなぁ。特に、初摺と後摺が両方展示されているものは面白い。個人的にどっちが見栄えが良いかは作品によりますし。初摺では絵師の意向を尊重するらしいですが、後摺ではそこら辺はどうでも良いらしい。作業が楽だったり受けが良い方向に変えてしまってもいいらしい(もちろん音声ガイドの受け売り)。版木が劣化するって言うのもあるんだろうけれど。
東海道中膝栗毛も参考にしたとか言っていたけれど、そこら辺の知識も皆無だから・・・。東海道の宿場も良く知らないからピンとこないし・・・*3。山があったらとりあえず全部富士山に見えるし。全然ダメです。ただ、木曾街道とは違って絵自体には通し番号はなかったので、あんまり気が散らずに見られました。
昔の永谷園のおまけ以外に、あんまり見る機会がなかったものなので、総じて面白かったけれど、価値が全然分かってない面白さなんだろうなぁ。初摺の多さとか。印象に残っているものは印象に残っていますが。このまま歳食ったらきっと今と変わらぬ印象のまま一生過ごすことになるな。
しかし、こういうものを、現在、外国でないと美品が残っていないほど、あの時代使い捨てていたっていうのはいつ考えてもすごいと思うと同時に、あまり有り難がってもいけないものなのかなとも思います。上手く言えないのですが(笑)。

*1:おそらく最近歯の噛み合わせが悪く顎関節症で肩こり気味なのも影響しているのでしょう

*2:広重の作品群には街道じゃなく海道って書いてありました

*3:小田原 酒匂川の風景はこの間の悲しい鉄砲水でかろうじて・・・